望まれる

 以前に書いた新人さん(ってもう新人ではないか)は、土日祝祭日の忙しいときにのみ、出勤してもらっている。忙しいときの助っ人からリスタート!という形。それが嫌なら辞めても構わないとマネージャーが言ったらしい。「考えさせて下さい」との返答。その日彼女は、仕事上がりの更衣室で「お世話になりました。辞めようと思います」と私に言うので、あまり大きな声では言えないが、引き止めました。これが、会社のためになるのか、彼女のためになるのか、私のためになるのか、そんなことにはまったく思いが及ばず、ただ、腹が立ったのだ。辞めるのは違うだろう!!と。

 
 43歳と言えば、次、すぐに就ける仕事があるとは考え難い。今、公営住宅でひとりで暮らす彼女は、親からの援助で暮らしているらしい。「いつまでも親に迷惑はかけられない・・・」と言いながら、持ち物はブランド物で、美容院へは月イチで通い、食材はデパ地下でお買い上げ、裕福な家の娘さんだったのだろう。「私、髪にはお金かけてるんです〜美容院1回に2万円は軽くかかるんですけど、これだけは拘ってて・・・」今の勤務状況では、家賃代も稼げていないと思うのに、そのお金はどこから?余計なお世話と言われればそれまでかも知れない。が、私は非常に気になって仕方がない。 
 
 彼女には20歳の息子さんがいる。今は自立してひとりで暮らしているそうだが、息子さんがちゃんと自立した生活を送っているのに、母親がそれでいいのか!?いいのかも知れないが、良くないよ。だから引き止めたというわけではないけど、もっと踏ん張ってくれよ。望まれる可能性が少しでもあるなら、しがみついて欲しい。

 
 あ、申し訳ないが腹は立つが、心配はしていない。