ぐっと我慢

 今日は手出ししないで、新人さんに仕事を任せてみたら?という提案を受け、とにかくじっと仕事の様子を見守る。準備の順番がめちゃくちゃ、毎回注意していることも同じ間違いのまま進める。沸々と怒りが込み上げるがぐっと我慢。あまりの事に私の顔色を変わっていたらしく同僚から「umeちゃん、大丈夫?顔が能面のようになってるよ」とからかわれる。

 
 どうしたら覚えてもらえるんだろう。どうして毎回同じ事を伝えないといけないんだろう。でも、キレる事はできない。したくない。もう社員さんはキレてしまって「あの人が辞めないんなら私が辞める!」とまで言っている。新人さんに対する社員さんの態度はもはや当然と言っていい。さすがにここまで来ると、泣きたくなってくる。が、新人さんの(性格はともかく)辛い気持ちもわからないではない。ここに勤めた人は、誰もが通ってきた道なのだ。


 新人さんのいないところで同僚に「私も偉そうに人の事は言えないけどさっ!」とこぼしたら「そうだよね〜(笑)でも、umeちゃんよく我慢したよね」キレそうになって感情が高ぶってきていたいたところで、それを言われたせいか、ちょっと泣きそうになった。「いやいや・・・」とかぶりをふって新人のところへ戻った。


 マネージャーから「皆さんから不満の声は出ていますが、もう少し様子をみるつもりです。でも、自分からなのか、こちらからなのかは判りませんが、彼女がいなくなる可能性はとても高いので、また求人をかけています」と聞かされた。この先新人さんがどうなるかは判らない。でも、仕事がわからなくなったときに訊かれた事は教えてあげたい。(性格はともかく)彼女もきっと3年前の私のように、胃の痛い夜を過ごしているんだろうから。

 
 でもね新人さん、猫撫で声で「umeちゃあ〜ん、帰りにジュースおごらせてぇ〜教えてくれるお礼に何か形でお返ししたいからぁ〜〜」・・・そのテンションの高さには、申し訳ないけどついていけない。思わず「そんな気を遣わなくていいから、仕事を覚えて返してください」ちょっとキツイ口調で言っちゃった。